ビットコインでなく、私たちの通貨をつくれないか? ソーシャルマネーの提案
ビットコインなど、仮想通貨がにぎやかだ。
また、楽天スーパーポイントや、Tポイントなど疑似通貨の役割を果たすものも多い。
これらの疑似通貨には、本物の通貨と同等の価値をもつという特徴がある。例えば、Tポイント1ポイント分で、1円分のものを買うことができる。
そこで、こういうものとは一線を隔した私たちの通貨を持てないだろうか?と思っている。
それは、ポイントや仮想通貨のような既存の通貨との交換や疑似通貨として機能しない
インターネットの互恵関係の中で成り立つ閉じた通貨だ。
ここでは、仮に、それを『カイ』と呼ぶことにしてみよう。(古代の通貨としての「貝」の意味を込めて。)
カイの既存の通貨との大きな違いは、カイが贈与経済を前提とした貨幣であることだ。
お金を払って、便益を受け取るわけではない。
お金を払った側が偉いわけではない。
便益を受けたお礼に、通貨を払う。
そのため価格は自由、もしくは、一定の幅を持たせた価格を提供する。
感謝を表すために、この通貨を使う。
「はてなスター」や「いいね」に、発行や価値の制約をもう少し持たせることで、もっと通貨っぽくしたものと想定している。
そんな価値の交換を既存の通貨とは切り離された世界で、
自由に取引ができるようになったら、面白くないだろうか?
具体的には、以下のようなイメージとなる。
1)登録し、財布にカイが溜まる
まず、ユーザーは、この基幹サービスに登録する。
このサービスは1企業が運営するというよりも、wikipediaやW3Cのような団体が運営するイメージが望ましい。
可能なら、P2Pの仕組みでもよい。
このサービスにユーザーは、FacebookやTwitter、はてななどとOpenIDを通じて連携する。
連携が行われるとサービスは、各ソーシャルサービスのユーザーに対する評価を集計する。
例えば、いいねの数や、Retweetの数、はてなスターの数などがそれにあたる。
同一人物からの「いいね」の数は、対数などで変換され、価値は下がる。多くの人から評価を集めることで多くのカイを所有することになる。
2)カイは流通する
カイは、感謝の気持ちをもって勝手に支払うことができる
利用者は、相手のFacebookやTwitterアカウント、Instagram、はてなIDなどに対して、
自由に支払うことができ、相手は受け取ることができる
(お互い登録が必要。OpenIDだと匿名IDとなるため、仕組み+αが必要)
3)カイは、他のサービスと連携する
ブログや、写真などのサービスは、「いいね」などと同じく、カイを受け付けられるようにする。
ただ、カイはコントロールの機能ももつ。
つまり、あるブログは、掲載当初は無料で見られる。
ただ、一定数評判やアクセスが増えてくると、ある程度の額のカイを払わないとみられないようになる。
もちろん、最低1カイ~など幅を持たせることは機能面から必須とする。
ユーザーに価格の決定権をゆだねることが、既存の通貨システムに対するアンチテーゼだからだ。
そして、閲覧数が減ると、再び無料で見られるように自動で切り替わる。
4)集まったカイで売買をする
集まったカイでは、お金とは交換しないが、物やサービスと直接交換できるようにする。(ここは既存の通貨っぽい)
具体的には、スポンサーが1000カイで、おいしいパンが焼けるトースターを提供するとする。ただ、支払者は上下2割程度の変動は常に許容される。
誰かが1000カイで、そのトースターを買う。
すると、その人が、1000カイでトースターを買ったことは、
その人が登録しているソーシャルネットワークに投稿されることになる。
(投稿の有無は、強制でなく選択制が望ましい)
スポンサーは、発信力のある人に商品を広めてもらうことになるので、広告効果が期待できるという仕組みだ。
**5)カイは、徴税され、分配される
カイは、毎月や毎日、所有には所得税、消費には消費税をとられる。
それら集まった税は、公平に分配される。
これは、消費を促すための仕組みでもあり、再分配の仕組みでもある。
多くのカイを持っていても、流通させなければ、ただ減少することになる。
マイナス金利のように通貨自身が勝手に減少することで、流通速度を上げる役割を担う。
税率は、流通速度に応じて見直され、適切な流通速度になるよう調整される。
基本コンセプトは以上のとおり。
後半はともかく、SNSのやり取りをポイント化するサービスは既にありそうだけど、どどうだろうか